【これを見れば解決!】アパート経営の法人化はどのタイミングで行うべき?
アパート経営は、その手堅い収益性から多くの個人事業主や投資家に選ばれています。
一方で、資産の規模が大きくなるにつれて税金や事業継承、リスク管理といった課題も増えてきます。
そんな時に考慮すべき選択肢の一つが「法人化」です。
法人化とは具体的にどういうことなのでしょうか?
また、どのタイミングで法人化を考えるべきなのでしょうか?
さらには、法人化することで得られるメリットと注意すべきポイントは何なのでしょうか?
この記事では、そんな疑問に答えつつ、アパート経営の法人化について詳しく解説します。
これからアパート経営を始めようと考えている方、すでに始めていてさらなる規模拡大を目指す方への一助となることを願っています。
アパート経営の法人化とは?
物件投資を始める時、誰もが一度は立ち止まる疑問、「個人で経営するか、それとも法人で経営するか」。
この選択は、将来的なビジョンや目標に大きな影響を与えます。そして、その決断は簡単なものではありません。
だからこそ、ここでしっかりと理解を深めておきましょう。
個人でアパートを経営する場合と法人でアパートを経営する場合
アパート経営を個人で行う場合、所有者が直接入居者と契約を結び、収益を得る形となります。
一方、法人でアパート経営を行う場合は、法人が契約と経営を担当し、所有者は株主として法人から配当を受け取る形となります。
個人経営と法人経営、それぞれの特徴は以下の通りです。
個人での経営
・管理がシンプル
・所得税率が高く、大きな収益を得ると税金が高くなる可能性がある
法人での経営
・ビジネスとプライベートが明確に分かれ、リスク分散が可能
・法人税率が一定で、大きな収益を得ても税率が上がらない
・信用力が向上し、金融機関からの融資が受けやすくなる
法人設立の手続き
法人設立には以下の手続きが必要です。
②目的の設定
③資本金の決定
④役員の選任
⑤定款の作成
⑥公証役場での認証
⑦法人登記
⑧銀行口座の開設
⑨起業通知・税務署への届け出
手続きは煩雑ですが、代行サービスを利用すれば、安心して進めることができます。
アパート経営の法人化の手続き
アパート経営を法人化するには、既に経営しているアパートを法人に移転する手続きが必要です。
これは、売却や贈与といった形で行うことが一般的です。
ただし、注意点として、物件の移転には「不動産取得税」が発生します。
また、贈与の場合には「贈与税」が発生する可能性もあります。
このような税金の影響を最小限に抑えるための対策としては、「売却による移転」と「贈与による移転」のどちらが有利か専門家に相談することがおすすめです。
法人化は一見難しそうに感じますが、適切な知識と対策を行えば、より経営を安定させる一助となります。
自身のビジョンに合った選択を行い、最善のアパート経営を目指しましょう。
法人化を検討すべきタイミングとは?
個人事業主から法人化する際のタイミングについて、そしてそのタイミングがなぜ重要なのかについて詳しく解説します。
さらに、複数の物件を経営する場合や事業継承を見据えた場合の考え方についても解説します。
個人事業主から法人化するタイミングの目安
アパート経営の収益が拡大し、年間で1,000万円を超えるような状況になった場合、法人化を真剣に考えるべき時期に来ていると言えるでしょう。
その理由は、個人の所得税がこの収益水準を超えると急速に増加し、大きな負担となるからです。
個人事業主として所得税を支払う場合、所得が増えるにつれて税率も上昇します。
特に年間所得が1,000万円を超えると、税率は23%から33%へと大きく上昇します。
一方、法人税の税率は基本的に23.2%で一定です。
この税率差は、年間所得が1,000万円を超えると大きな影響を与えます。
つまり、アパート経営による収益が1,000万円を超える場合、法人化により税負担を軽減することが可能になるのです。
ただし、法人化する際には設立費用や維持費用、法人としての運営が求められるなど、考慮すべき要素も増えます。
そのため、専門家の意見を聞きつつ、全体の経営状況や今後のビジョンを踏まえて、法人化のタイミングを決定することが重要です。
このように、アパート経営の法人化は、収益規模や税率の違いを理解した上で、自身の経営状況に合った最善の選択を行うことが求められます。
複数物件の経営を行う場合
複数の物件を経営する際も、法人化を検討するべきタイミングとなります。
複数の物件を管理するということは、それだけリスクも増えるということです。
しかし、法人化すれば、個人とビジネスのリスクを分離できます。
つまり、一つの物件で問題が生じても、他の物件への影響を最小限に抑えることが可能になるのです。
また、物件数が増えれば管理業務も増えますが、法人化すれば効率的な業務分担や外部の専門家の活用が容易になります。
事業継承を見据えた場合
アパート経営は長期的なビジネスであるため、事業継承を見据えた際にも法人化を考えることがあります。
法人であれば株式を通じてスムーズな継承が可能となり、また、継承税の対策にもつながります。
ただし、事業継承については様々な要素が関わるため、こちらも専門家との相談が必要です。
アパート経営の法人化は、収益の規模や物件数、継承の視点から考えることが重要です。
そして、その判断は個々の経営状況や目標によって変わります。
一歩を踏み出す前に、しっかりと自分のビジョンと向き合い、最適な選択を行いましょう。
アパート経営を法人化するメリット
アパート経営の法人化が持つ3つの主なメリットは以下の通りです。
2. 相続税対策になる
3. 役員報酬を経費にできる
税率が低い
先ほども解説したように法人化することで、税率が低くなります。
法人の税率は一律23.2%で、個人の所得税率が最高55%になることを考えると、節税効果が見込めます。
これは、所得が一定水準を超えると特に大きなメリットとなります。
具体的には、アパート経営の年間収入が1,000万円を超えた場合、法人化を検討すると良いでしょう。
相続税対策になる
次に相続税対策になることも大きなメリットと言えます。
一般的に、不動産の価値は相続税評価額と市場価格で大きく差が出ることがあります。
しかし、法人の株式としてアパートを保有している場合、法人の評価額を低く抑えることが可能です。
これにより、相続税を大幅に節約することが可能となります。
例えば、アパートを運営する法人の株式を子どもに分け与えることで、効率的に資産を継承することができます。
役員報酬を経費にできる
法人化すると、役員として経営に参画することが可能となり、その報酬は経費として計上できます。
結果的に、会社の利益を減らし税負担を軽減することができます。
一方、役員報酬は個人の所得となるため、その額には制限があります。
そのため、自身の生活費やリタイアメントプランを考慮して、適切な報酬を設定することが重要です。
アパート経営における法人化の注意点
法人化には確かに多くの利点がありますが、一方で費用やリスク、そしてマンション経営に特有の要点など、慎重に考慮すべき点が存在します。
アパート経営における法人化の注意点は以下の通りです。
2. 法人の責任とリスク
法人設立における費用と手間
法人設立には費用と手間がかかります。
具体的には、法人設立に必要な登記手続き費用や、決算書の作成などに専門家を依頼する場合の費用が発生します。
また、定期的に行わなければならない会社の手続きや会議、社会保険や労働保険の管理など、継続的な管理業務も増えます。
法人の責任とリスク
法人は個人とは別の法的主体であり、それには高い責任が伴います。
法人の責任範囲は個人経営より広く、法人の経営者や役員が適切な経営判断をしなければならないこと、不適切な経営判断により責任を問われる可能性があることを理解しておく必要があります。
まとめ
アパート経営を法人化することは、収益が一定額に達した時や複数物件を持つ場合、事業継承を考える際に有益です。
税率が低くなる、相続税対策になる、役員報酬を経費にできるなどのメリットがあります。
ただし、設立費用や手間、法人としての責任とリスクも考える必要があります。
そのため自身の状況を考慮し、最適な経営形態を選びましょう。
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