【それ損してるかも!】アパート経営は相続するべきなのか?相続する際の注意点とは?

アパート経営と相続には多くの方が興味を持つ一方で、その裏には見落としやすい要点とリスクが潜んでいます。
実際には、相続や売却には多角的な判断が求められ、それには税金問題から経営戦略、さらには法的側面まで考慮しなければならない事項があります。
本記事では、それらの複雑な要素をわかりやすく解説し、読者の皆様が賢い選択をする一助となるような情報を提供します。
特に、準確定申告が必要な状況など、知っておくべき法的手続きについても詳しく解説していきます
アパートを相続すべき?売却すべき?
アパート経営は多くの人々にとって魅力的な投資先とされていますが、その先には大きな決断が待ち受けている場合があります。
それは、「アパートを相続すべきなのか、それとも売却すべきなのか」という問題です。この決断は一見単純に見えますが、実は多くの要因に影響を受ける非常に複雑な問題です。
相続税、将来の市場予測、維持管理の手間、そして何よりもそのアパートがあなたやあなたの家族にとってどれだけ価値のあるものであるのかを慎重に考慮する必要があります。
ここでは、アパート経営を相続すべき場合と売却すべき場合、それぞれについて考慮すべきポイントを詳しく解説していきます。
アパート経営を相続すべき場合
アパート経営を相続するかどうかの決断は一筋縄ではいきませんが、特に重要と言える3つのポイントをご紹介します。
- 安定した収益がある場合
- 立地が良い場合
- 税制上のメリットがある場合
①安定した収益がある場合
このポイントは非常に重要です。アパートが常に高い稼働率を維持している場合、それは地域での需要が高い証拠です。相続することで、その安定した家賃収入を継続して得られます。
ただし、過去の収益が安定していたからといって、未来もそうであるとは限りません。
周囲の開発状況や競合他社の動きもしっかりと把握して、将来の収益予測をしっかりと立てることが大切です。
②立地が良い場合
立地条件の良さは、アパート経営において非常に重要な要素です。
例えば、都心部や交通の便が良い地域、商業施設や学校、病院が近くにある地域などは、常に需要があります。
そのような場所であれば、相続によって得られる将来的な資産価値の上昇も期待できます。
ただし、良い立地であればあるほど、土地価格も高くなる可能性があり、それが相続税の負担を高くする要因にもなるため、注意が必要です。
③税制上のメリットがある場合
アパート経営は、一定の条件下で相続税の軽減措置が受けられる場合があります。
具体的には、アパートを経営していることで受けられる減価償却の積立金が、相続税を減らす効果を持っている場合があります。
また、相続によって得られる家賃収入で、相続税の分割納付をスムーズに行うことも可能です。
これらの要点を総合的に考慮し、専門家ともしっかりと相談することで、アパート経営を相続するべきかどうかの判断がより明確になるでしょう。
アパートを売却すべき場合
アパートを売却すべき場合には、以下の三つの重要なポイントが考慮されます。
- 維持管理の負担
- 市場価格とのギャップ
- ライフプランとの整合性
①維持管理の負担
アパート経営には避けて通れない維持・管理の負担があります。
これには例えば、建物の老朽化に伴う修繕、雪や風雨からくる損傷、あるいは設備のトラブルなどが考えられます。さらに、定期的な清掃や管理費、税金などが毎年必要です。
これらの費用が賃料収入を上回る、または手続きが煩雑で精神的なストレスがかかる場合、売却を検討する理由となり得ます。
②市場価格とのギャップ
アパートの価値は時価によって大きく変動する場合があります。
不動産の評価額が高騰しているときや、特に地価が上がっているエリアでは、売却で一時的な高額な利益を確保できる可能性があります。
また、逆に市場が冷え込むような兆しを感じた場合、早めの売却で大きな損失を避けられる可能性があります。
③ライフプランとの整合性
人生には多くの変化があります。子供が独立する、自身が高齢になる、健康状態が変わる、転職や転居があるなど、多くのライフイベントがあります。
これらの変化によって、アパート経営の管理が難しくなる、または他の投資先や支出が必要になる場合があります。
そのような時、資産としてのアパートがライフプランに合わなくなったら、売却を考えるタイミングです。
以上のような各ポイントには、多くの変数とリスクが関わっています。
売却を決断する前に、これらの要素を詳細に評価し、必要であれば専門家の意見も聞くことが重要です。
アパート経営を相続する際の注意点
アパート経営を相続する際にはいくつかの重要な点に注意が必要です。以下に主な注意点を3つ挙げます。
税金問題
税金問題はアパート経営を相続する際の非常に重要な側面です。
特に日本の相続税は、土地や建物の価値が高額な場合にはその税金も高額になりうるので、しっかりとした事前準備が必要です。
たとえば、アパートを法人に移して運営することで、一定の税務上のメリットを享受することが可能です。法人では経費計上が柔軟になり、課税所得を減らすことができる可能性があります。
しかし、法人運営にはそれ自体の手続きや運営ノウハウが必要となります。
また、特別な信託を設定するという方法もあります。これは、資産を一定期間専門の信託会社などが管理し、その後で相続人に渡す形態です。
これによって、相続税の負担を少しでも軽減することができる場合があります。
加えて、固定資産税や所得税も無視できません。アパート経営によって得られる家賃収入には所得税がかかるため、それを計画に盛り込む必要があります。
特に新たにアパートを建築する、または大規模改修を行う場合には、固定資産税が変動する可能性もありますので、しっかりとした税務対策を行うことが求められます。
経営継続の可否
経営継続の可否は、アパート経営を相続する際の重要な要素です。
たとえ管理会社に全てを委託していたとしても、最終的には相続人がオーナーとなるため、ビジネスの基本的な知識とスキルが必要になります。
相続人がアパート経営に対して十分な知識や興味を持っていない場合、特に老朽化が進んでいる建物や地域での高齢化が進んでいる場合などには、経営が難航するリスクが高まります。
また、相続人が複数いる場合には、その中で誰が主体的に経営を担当するのか、どのように利益を分配するのかといった問題も考慮しなければなりません。
このような状況下でコミュニケーションが不足すると、経営そのものが揺らぎ、場合によっては売却を余儀なくされることもあります。
さらに、現在のアパート経営が順調であっても、将来の市況変動や法規制の変更、近隣の開発状況などによっては、経営環境が大きく変わる可能性もあります。
これらのリスクを考慮に入れ、相続人がそれに対応できる知識とスキル、そして何より経営継続の意志があるのかをしっかりと確認することが重要です。
リーガルチェック
リーガルチェックは、アパート経営を相続する際に特に注意を要する項目の一つです。
まず、入居者との契約内容を精査することで、契約が適正に結ばれているか、または将来的に問題が起きる可能性がないかを確認します。
例えば、退去時の条件や更新料、敷金・礼金に関する条項などが適切に設定されているかどうかが重要です。
次に、管理会社との契約についても同様の確認が必要です。
サービス内容、料金体系、解約条件など、将来的に相続人が経営を継続する上で矛盾や問題が生じないように契約内容を確認しましょう。
また、建物自体の法的な側面も重要です。例えば、建物や設備に違法な改築や追加がなされていないか、消防法や建築基準法などの各種法令を遵守しているかどうかを調査する必要があります。
違法な状態が発覚した場合、修復には多大な費用と時間がかかる可能性があります。
これらのリーガルチェックは、専門の弁護士や司法書士、不動産コンサルタントなどに依頼することも一つの方法です。
しっかりとしたリーガルチェックを行うことで、後々のトラブルを防ぐことができます。
家賃収入のある賃貸物件を相続したら準確定申告を
家賃収入が発生する賃貸物件を相続した場合、その家賃収入は相続人にとって所得となります。
そのため、日本の税制では、このようなケースでは準確定申告が必要になる場合が多いです。
準確定申告とは、通常の確定申告とは異なり、相続が発生した年において亡くなった人が得ていた所得に対する申告を指します。
この申告は、通常の確定申告とは別に行われるため、注意が必要です。
特に、家賃収入が発生している場合には、その収入や関連する経費についてしっかりと確認し、適切に申告を行う必要があります。
この準確定申告においても、家賃収入以外にも、管理費や修繕費、減価償却費など、様々な経費を控除できるケースがあります。
これらの控除が適用されるかどうかは、具体的な状況やタイミングに依存するため、税務署や税理士に相談することが推奨されます。
賃貸物件を相続した場合、税務に関する手続きは非常に複雑であり、手続きを怠ると後々の税金負担が大きくなる可能性があります。ですので、早めの対応と専門家との相談が重要です。
まとめ
アパート経営を相続するか、売却するかは一筋縄ではいかない選択です。
相続する場合には税務対策や経営継続の可否、法的なチェックが不可欠です。
特に、準確定申告が必要な場合もあるので、専門家のアドバイスは欠かせません。
しかし、その裏には賃貸物件を持つことのリワードもあります。適切に管理すれば、安定した収益と資産の価値増加を期待できます。
一方で、売却する場合にはリスクを減らし、一時的な大きな収益を上げることができますが、長期のキャッシュフローは失われます。
どちらの選択もその後の生活に大きな影響を与えるため、しっかりとした検討と計画が必要です。
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