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クロス張替え費用の相場とは?賃貸の負担区分や請求手順を解説!

「退去したら壁紙が一面ヤニで黄ばんでいたけど、この張替え費用って全部入居者に払ってもらえるのかな…」
「見積もりは10万円と出たものの、経年劣化の分は差し引けと言われそうで、どこまで請求していいか分からなくて…」
賃貸経営をされているオーナー様の中には、クロス張替え費用の負担割合に確信が持てないまま退去精算に臨んでいる方も少なくありません。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、壁紙クロスの耐用年数を6年とし、入居年数が長いほど借主の負担割合は下がる考え方が示されています。
裏を返せば、相場と負担ルールを押さえずに全額を請求すると、かえって返金トラブルの火種になりかねません。
本記事では、クロス張替え費用について次のポイントを整理します。
- クロス張替え費用の相場と金額が決まる仕組み
- 入居者負担とオーナー負担を分ける判断基準
- 入居者に費用を請求するときの実務手順
負担割合の考え方を知っているかどうかで、退去精算のもめ方は大きく変わります。
クロスの張替え費用でお悩みのオーナー様や、退去精算のルールを整えたい方は、ぜひ最後までお読みください。
賃貸のクロス張替え費用は誰が負担するのか
クロスの張替え費用は、原則としてオーナー様と入居者が状態に応じて分担します。
日光による色あせや家具の設置跡といった通常の使用で生じる損耗は貸主負担、喫煙のヤニや落書きなど使い方に起因する汚損は借主負担というのが基本的な線引きです。
2020年4月施行の改正民法で原状回復のルールが明文化されて以降、経過年数を無視した全額請求はいっそう通りにくくなりました。
この前提を共有しておかないと、退去時に「全額負担してほしい」「一円も払いたくない」という主張のぶつかり合いになりやすくなります。
クロス張替え費用の相場と金額の決まり方
クロスの張替え費用は、施工面積とクロスのグレード、下地の状態という3つの要素で決まります。
金額の内訳を4つの角度から見ていきます。
1.1平米あたりの単価と6畳の目安
2.量産クロスとハイグレードクロスの価格差
3.下地補修や付帯工事で変わる総額
4.6畳ワンルームで見る費用シミュレーション
①1平米あたりの単価と6畳の目安
まず押さえておきたいのが、1平米あたりの単価と部屋の施工面積です。
一般的な量産クロスの張替えは、材料費と施工費を合わせて1平米あたり1,000〜1,500円が相場です。
6畳の居室は壁と天井を合わせておおむね40〜50平米あり、面積に単価を掛けることで、おおよその費用が見積もれます。
②量産クロスとハイグレードクロスの価格差
次に押さえたいのが、クロスのグレードによる価格差です。
もっとも流通している量産クロスに対し、防臭や防カビ、汚れ防止などの機能性クロスやハイグレード品は1平米あたり1,500〜2,500円と単価が上がります。
原状回復として請求できるのは元の物件と同等品が基準のため、退去精算のためだけにハイグレード品へ替えても差額は借主に請求しにくくなります。
③下地補修や付帯工事で変わる総額
見落とされがちなのが、下地補修や付帯工事による上乗せです。
クロスをはがした後の石膏ボードにひび割れや凹みがあれば、パテ処理やボード交換が必要になり、その分の費用が加算されます。
家具の移動や既存クロスの撤去処分費、養生費なども見積もりに含まれるため、クロス代だけで総額を判断すると差が出ます。
見積書では、クロスの張替え費用と下地補修費を分けて記載してもらうと、入居者に請求できる範囲を切り分けやすくなります。
④6畳ワンルームで見る費用シミュレーション
イメージをつかむために、6畳ワンルームの費用を試算してみます。
壁と天井の展開面積を45平米、量産クロスの単価を1平米1,200円とすると、クロスの張替えだけで約5万4千円です。
ここに下地補修や撤去処分費が加わると、6畳の全面張替えで6〜8万円前後が一つの目安です。
入居者負担とオーナー負担を分ける判断基準
クロスの張替え費用をどちらが負担するかは、汚損の原因と入居年数で決まります。
国のガイドラインを軸に、3つの判断基準を押さえていきます。
1.国交省ガイドラインが示す経年劣化の考え方
2.耐用年数6年と残存価値の計算
3.喫煙やペットなど借主の故意過失
①国交省ガイドラインが示す経年劣化の考え方
まず理解しておきたいのが、経年劣化と通常損耗の考え方です。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、日光によるクロスの変色や、家具設置による軽微なへこみは、通常の使用による損耗として貸主負担と整理されています。
こうした自然に生じる劣化の回復費用は、毎月の家賃にあらかじめ含まれているという前提に立つためです。
法的拘束力はないものの、賃貸借契約の解釈基準として裁判でも参照される実務上の標準になっています。
②耐用年数6年と残存価値の計算
あわせて押さえたいのが、耐用年数6年に基づく負担割合の計算です。
6年入居した部屋のクロスは残存価値が1円まで下がるため、借主に故意過失があっても、張替えの材料費部分はほとんど請求できません。
入居3年での毀損なら、材料費部分は新品価格のおよそ半分まで下がり、これに張替えの施工費を上乗せして借主の負担額を計算します。
③喫煙やペットなど借主の故意過失
見落とされやすいのが、借主の故意過失にあたる汚損の扱いです。
喫煙によるヤニ汚れやにおい、ペットのひっかき傷、結露を放置して広がったカビなどは、通常損耗を超える善管注意義務違反として借主負担になります。
長期喫煙でクロスの全面張替が必要になった事案では、東京地判平成21年1月16日が費用の借主負担を認めています。
クロス張替え費用を入居者に請求する手順
請求は、汚損の記録と見積書という客観的な資料で組み立てるのが原則です。
退去当日から精算までの流れを3段階で見ていきます。
1.退去立会いで汚れと損傷を記録する
2.見積書で㎡単価と数量を明示する
3.負担割合を計算して精算書を渡す
①退去立会いで汚れと損傷を記録する
出発点となるのが、退去立会いでの汚れと損傷の記録です。
クロスのヤニ汚れやひっかき傷は、部屋ごとに日付入りで写真を撮り、入居時の記録と見比べて借主の使用による毀損だと示せる状態にします。
その場で入居者にも状態を確認してもらい、「壁のこの汚れを確認しました」と立会確認書にサインをもらえば、後日の言い分の食い違いを防げます。
②見積書で㎡単価と数量を明示する
次に進めたいのが、見積書での単価と数量の明示です。
施工業者から正式な見積書を取り、クロスの平米単価と施工数量、下地補修費を項目ごとに分けて記載してもらいます。
一式ではなく内訳が明確な見積書は、入居者へ金額の根拠を説明する資料になり、過大請求ではないという信頼にもつながります。
相見積もりを2社以上取っておけば、金額が高いのではという指摘にも相場感を持って対応できます。
③負担割合を計算して精算書を渡す
最後に欠かせないのが、負担割合を反映した精算書の作成です。
見積金額をそのまま請求するのではなく、耐用年数6年と入居年数から借主の負担割合を計算し、経年劣化分を差し引いた金額を提示します。
「クロス張替え費用のうち、入居3年のため材料費は50%を負担、施工費は全額負担」といった形で内訳を精算書に明記すると、入居者も納得しやすくなります。
クロス張替えの費用でお悩みの方は久和不動産へ
クロスの張替え費用は、相場と負担ルールの両方を押さえてはじめて、適正な精算につながります。
押さえるべき要点は次の3点です。
- 量産クロスの張替えは1平米1,000〜1,500円が相場で、6畳全面なら6〜8万円前後が目安
- 国交省ガイドラインでは耐用年数6年とし、入居年数が長いほど借主の負担割合は下がる
- 退去立会いでの記録/内訳の明確な見積書/負担割合を示した精算書が請求の3点セット
久和不動産では、退去立会いの同行から見積書の取りまとめ、負担割合を反映した精算書の作成、入居者との交渉サポートまで一貫して対応いたします。
「張替え費用のどこまでを入居者に請求できるのか判断できない…」
「経年劣化の差し引きを求められたけど、計算の仕方が分からない…」
という方は、どうぞお気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

