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【賃貸の家賃は下げるべきか】判断の基準と下げる前にできる対策を解説

内見はあるのに決まらない、思い切って家賃を下げたほうがいいのかな…

一度下げたら戻せないって聞くし、踏み切るかどうか迷っている…

こうした値下げの判断に迷われているオーナー様は少なくありません。

総務省の令和5年「住宅・土地統計調査」によると、全国の賃貸用空き家は約443万戸にのぼり、空室を埋めるための家賃競争は年々厳しさを増しています。

ただ、焦って下げた一手が利回りや物件価値まで削ってしまうこともあり、判断は数字で見極めたい場面です。

本記事では家賃の値下げについて、次の3点を中心に解説します。

家賃を下げるべきかを見極める判断基準
安易な値下げが招くリスク
家賃を下げる前に試したい対策と下げ方のコツ

値下げを検討している方も、その前にできることを探したい方も、判断材料になる内容です。

ぜひ最後までお読みください。

目次

家賃を下げるか迷うのはどんなときか

家賃の値下げを考え始めるきっかけは、オーナー様によってさまざまです。

多いのは、募集を出しても問い合わせが伸びない、内見はあるのに申し込みまで届かない、といった反響の鈍さに直面したときです。

繁忙期の1〜3月を逃して空室期間が2か月、3か月と延びてくると、「家賃が高いのでは」という不安が頭をよぎります。

更新のタイミングで近隣に新築物件が建ち、相場が動いたと感じる場面も、値下げを意識する入口のひとつです。

ただ、迷いの正体は「下げたほうがいいのか」ではなく「下げる以外に手はないのか」が見えていないことにあるケースが多く見られます。

まずは値下げを判断する基準を整理し、そのうえで他の打ち手と比べてみる流れがおすすめです。

家賃を下げるべきかを判断する基準

家賃を下げるかどうかは、感覚ではなく数字とデータで切り分けるのが基本です。

ここでは、値下げの判断材料になる3つの基準を整理します。

1.空室期間と周辺相場との乖離
2.問い合わせと内見の反響数
3.値下げ額が利回りに与える影響の試算

①空室期間と周辺相場との乖離

まず押さえておきたいのが、空室期間の長さと周辺相場とのズレです。

賃貸ポータルや管理会社の資料で、同じエリア/同じ間取り/近い築年数の募集家賃を5件ほど集め、自分の物件がどの位置にあるかを確かめましょう。

相場より明らかに高い水準で1か月以上反響がないなら、家賃が選ばれない一因になっている可能性が高まります。

逆に相場並みなのに決まらないなら、原因は家賃以外にあると考えたほうが自然です。

②問い合わせと内見の反響数

次に見たいのが、問い合わせと内見の数字の中身です。

そもそも問い合わせが来ないのか、問い合わせはあるが内見に至らないのか、内見後に申し込みが入らないのかで、打つべき手はまったく変わります。

問い合わせ自体が少ないなら家賃設定や募集露出の問題、内見後に決まらないなら室内の状態や設備の問題と切り分けられます。

家賃を下げて効くのは前者のケースで、後者であれば値下げしても反響は動きにくいものです。

③値下げ額が利回りに与える影響の試算

見落とされがちなのが、値下げが利回りに与えるダメージの大きさです。

たとえば家賃8万円の部屋を5,000円下げると、年間の減収は6万円になります。

一方で、相場に合わせて家賃を下げ、2か月早く入居が決まれば16万円の家賃を取りこぼさずに済む計算です。

このように「下げた減収」と「空室を続ける損失」を同じ年単位の数字で並べれば、下げるべきかどうかを冷静に判断できます。

安易に家賃を下げた場合のリスク

家賃の値下げは即効性がある一方で、後から効いてくる副作用も抱えています。

数字に表れにくいリスクを3つに整理します。

1.一度下げた家賃は元に戻しにくい
2.既存入居者との家賃差が不満につながる
3.収益還元評価が下がり物件価値に響く

①一度下げた家賃は元に戻しにくい

最も大きいのが、一度下げた家賃は容易に戻せないという点です。

入居中の家賃を上げるには借地借家法上の正当な理由が必要で、入居者の同意なしに引き上げるのは現実的ではありません。

つまり下げた家賃はその入居者が住み続ける限り続き、募集家賃へ戻せるのは退去を待つしかありません。

「とりあえず下げて埋める」一手が、数年単位で収入を固定してしまう点は意識しておきましょう。

②既存入居者との家賃差が不満につながる

次に注意したいのが、先に住んでいる入居者との家賃差です。

新規募集だけ家賃を下げると、同じ間取りの部屋で旧来の入居者だけが高い家賃を払う状態が生まれます。

更新時にこの差を知った入居者から減額を求められたり、不公平感から退去につながったりすることもあります。

値下げは新規の1部屋だけでなく、棟全体のバランスへの波及まで見て判断しましょう。

③収益還元評価が下がり物件価値に響く

特に注意したいのが、家賃の引き下げが物件価値そのものを下げる点です。

収益物件の価格は、年間家賃収入を期待利回りで割り戻す収益還元法で評価されるのが一般的です。

たとえば期待利回り8%のエリアで年間家賃が12万円下がれば、単純計算で物件評価は約150万円目減りします。

将来の売却や借り換えを見据えるなら、目先の空室対策が資産評価を削る面も天秤にかけておきましょう。

家賃を下げる前に試したい対策

家賃に手をつける前に、減収を伴わずに反響を増やす打ち手はいくつもあります。

費用対効果の出やすい対策を3つご紹介します。

1.初期費用の調整で実質負担を軽くする
2.設備の追加と原状回復のグレードアップ
3.募集図面と写真を見直して反響を増やす

①初期費用の調整で実質負担を軽くする

まず試したいのが、月額家賃ではなく初期費用での調整です。

敷金や礼金の引き下げ、フリーレント1か月の付与といった条件は、入居者の初期負担を軽くしつつ毎月の家賃水準を守れます。

フリーレント1か月は実質的に家賃1か月分の負担ですが、収益還元評価のベースになる募集家賃は下げずに済むため、物件価値への影響を抑えられます。

入居検討者に「お得感」を訴求しながら、家賃そのものは維持できる点が利点です。

②設備の追加と原状回復のグレードアップ

次に効果が出やすいのが、設備の追加と室内のグレードアップです。

人気設備ランキングで上位に入る無料インターネット、独立洗面台、宅配ボックス、温水洗浄便座などは、家賃を下げずに競争力を底上げします。

全国賃貸住宅新聞の人気設備調査でも、インターネット無料は単身/ファミリーの双方で上位に入る定番設備です。

アクセントクロスの張り替えや照明の交換といった数万円規模の手当てでも、内見時の印象は大きく変わります。

③募集図面と写真を見直して反響を増やす

見落とされがちなのが、募集図面と掲載写真の見直しです。

入居者の多くはポータルサイトの写真で内見先を絞り込むため、暗い/少ない/古い写真は問い合わせの入口で機会を逃しています。

明るい時間帯に撮り直し、室内の引き写真に加えて設備やセールスポイントのカットを増やすだけで、反響が伸びることは珍しくありません。

家賃を1円も下げずに反響を増やせる対策として、まず取り組む価値があります。

どうしても下げるなら押さえたい下げ方のコツ

対策を尽くしても反響が動かないなら、値下げも有効な選択肢です。

その場合は、損失を最小限に抑える下げ方を意識しましょう。

ひとつは、刻む幅を小さくすることです。

いきなり1万円下げるのではなく、まず3,000円〜5,000円の単位で調整し、反響の変化を見ながら次を判断すると下げすぎを防げます。

もうひとつは、下げ幅を「キリのいい家賃帯」に合わせる発想です。

8万2,000円を7万9,000円にして「8万円未満」の検索条件に入れるなど、ポータルサイトの絞り込み価格帯をまたぐと、表示される母数そのものが増えます。

加えて、家賃の据え置きと初期費用調整を組み合わせ、値下げは最後の手段として残しておくと、収益と物件価値を守りながら空室を埋めやすくなります。

家賃の見直しでお悩みの方は久和不動産へ

今回は、家賃を下げるべきかの判断基準から、安易な値下げのリスク、下げる前に試したい対策、下げ方のコツまでを整理しました。

家賃の値下げは、空室を埋める効果と引き換えに収益や物件価値を削る一手でもあり、数字で見極めたうえでの判断が結果を左右します。

要点をまとめます。

  • 空室期間と相場のズレ、反響数、利回りへの影響を数字で見て値下げの是非を判断する
  • 一度下げた家賃は戻しにくく、既存入居者との差や収益還元評価の低下にも波及する
  • 初期費用の調整や設備追加、写真の見直しなど、家賃を下げずに反響を増やす手を先に試す

久和不動産では、周辺相場の調査から募集条件の設計、空室対策、収支の見直しまで、オーナー様の状況に合わせてご相談を承っています。

「内見はあるのに決まらない、家賃を下げるべきか迷っている…」

「下げる前にできることがあれば試したい…」

という方は、どうぞお気軽にご相談ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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