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【賃貸経営が赤字になったらどうする?】原因の見極めから収支改善まで解説!

「家賃収入より支出のほうが多くて、毎月マイナスが続いてる…」
「赤字が続いてるけど、物件を手放すべきかどうかも判断できない…」
賃貸経営をされているオーナー様の中には、こうした資金繰りの悩みを抱えている方が少なくありません。
賃貸経営は安定収入が見込める資産運用ですが、空室の増加やローン返済の負担、想定外の修繕費用が重なれば収支はあっさりマイナスに傾きます。
総務省の令和5年「住宅・土地統計調査」によると、全国の賃貸用空き家は約443万戸にのぼり、地域によっては3軒に1軒が空室という県も存在します。
人口動態の変化や築古物件の供給過多といった構造的な事情を踏まえると、賃貸経営はもはや「持っていれば安泰」という時代ではなくなっています。
本記事では、賃貸経営の赤字について、以下のポイントを中心に解説します。
- 赤字になる主な原因と放置した場合のリスク
- 赤字でも活用できる確定申告の知識
- 収支を改善するために見直すべきポイント
赤字の打開策を探している方や、今の収支に不安を感じている方のご参考になれば幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
賃貸経営における「赤字」とは?
はじめに、賃貸経営における「赤字」の正体を整理しておきましょう。
賃貸経営の赤字とは、一言でいえば家賃収入よりも経費や支出が上回り、収支がマイナスに振れている状態を指します。
ローン返済、管理費、修繕費、固定資産税、保険料といった支出の合計が家賃収入を上回れば、その差額はオーナー様の手元資金から補う形になります。
ここで押さえておきたいのは、「赤字」にはまったく性質の異なる2種類があることです。
1つは実際に現金が減っていくキャッシュフロー上の赤字、もう1つは確定申告の計算上で出てくる会計上の赤字です。
詳しくは後半で取り上げますが、この2つを混同したまま判断すると「本当は手残りがあるのに物件を手放してしまう」といった判断ミスにつながります。
いずれにしても、赤字状態が長引くほど立て直しは難しくなっていくため、原因を正確に見極めて早い段階で手を打つことが大切です。
賃貸経営が赤字になる主な原因
赤字の改善は、原因を正しく切り分けるところから始まります。
ここでは、実務でよく見られる赤字の原因を3つに絞ってご紹介します。
1.空室の長期化
2.ローン返済比率の高さ
3.管理費/修繕費の見込み不足
①空室の長期化
最大の原因として真っ先に挙げたいのが、空室の長期化です。
家賃収入は入居者がいて初めて発生するものですから、部屋が埋まらない期間が続けば、その分がまるごと収入ロスになります。
たとえば月額家賃6万円の部屋が3か月空室になれば、18万円の収入が消える計算です。
年間に換算すれば72万円の機会損失となり、このインパクトはローン返済1〜2か月分に相当します。
空室が続く背景には、立地条件の変化、設備の陳腐化、家賃が周辺相場からずれているといった要因が絡んでいることが多く見られます。
人口減少が進んでいるエリアでは、類似物件との差をどこでつけるかが入居付けの勝負どころになってきます。
②ローン返済比率の高さ
数字で見るとわかりやすいのが、ローン返済比率の問題です。
返済比率とは、家賃収入に占めるローン返済額の割合のこと。
不動産投資の実務では40〜50%以内が安全圏の目安とされ、この水準を超えると、わずかな空室や突発的な修繕が発生しただけで収支が一気に赤字に転げ落ちるリスクが高まります。
頭金をほとんど入れずにフルローンに近い形で購入したケースでは、返済比率が70%を超えていることも珍しくありません。
変動金利で借りている場合、金利が1%上昇するだけで毎月の返済額は数万円単位で増えるため、当初描いていた収支計画が足元から崩れかねない状態にあると言えます。
③管理費/修繕費の見込み不足
見落とされがちなのが、管理費や修繕費の見込み不足です。
賃貸経営の支出はローン返済だけではありません。
管理委託料(家賃収入の5%前後が相場)、共用部の清掃費、設備の修繕費、退去時の原状回復費など、日々さまざまな経費が積み上がっていきます。
特に築10年を超えた頃から、給湯器の交換、エアコンの更新、外壁補修といった単発で十数万円〜数百万円規模の出費が発生しやすくなります。
購入時の収支計画にこうしたメンテナンス費を十分織り込んでおかないと、稼働が順調でも想定外の出費でその年の収支がマイナスに転じる、というパターンに陥りがちです。
赤字を放置した場合のリスク
原因を押さえたら、次は赤字を放置したときに何が起きるかを確認しておきましょう。
主なリスクは次の3つです。
1.キャッシュフローの悪化
2.物件の老朽化と価値低下
3.売却を余儀なくされるケース
①キャッシュフローの悪化
まず直接的に響いてくるのが、キャッシュフローの悪化です。
毎月の収支がマイナスのまま動かなければ、その穴埋めはオーナー様の預貯金や給与所得など別の財布から持ち出すことになります。
この「持ち出し経営」が続くほど手元の流動資金は痩せていき、いざ大規模修繕や突発的な支出が必要になったときに動けなくなる、という事態を招きやすくなります。
さらに、返済が滞れば金融機関の評価にも傷がつきます。
追加融資が通らなくなる、次の物件購入ができなくなるなど、資産拡大の道も閉ざされかねず、最悪の場合は返済不能に陥るリスクも否定できません。
②物件の老朽化と価値低下
収支が苦しくなると、真っ先にしわ寄せが及ぶのが修繕費です。
「資金が厳しいから修繕は次回」という判断を重ねるうちに、建物や設備の劣化は確実に進行していきます。
設備が古びれば内見での印象は落ち、内見されても成約に結びつきにくくなります。
空室が増えて収入がさらに減り、修繕にもっと回せなくなる、という負のスパイラルに入ってしまうわけです。
物件の状態が悪くなれば、当然ながら将来の売却価格にも響いてきます。
目先の出費を抑えたつもりが、長期的には物件の資産価値そのものを削っていることになる、という点は注意したいポイントです。
③売却を余儀なくされるケース
赤字が長引き、手元資金も底をついた段階で選択肢として浮上してくるのが、物件の売却です。
ただし、追い込まれた状態での売却は足元を見られやすく、相場より大幅に安い価格での手放しを迫られるケースが少なくありません。
タイミングを選べない売却は、往々にして損失を膨らませる結果につながります。
とりわけ、ローン残高が売却価格を上回るオーバーローンの状態では、売却しても借入が残ることになりかねません。
こうした袋小路に入り込まないためにも、赤字の初期段階──できれば数字が下向きに動き始めた時点で原因を掴み、打ち手を講じることが重要です。
赤字でも知っておきたい確定申告の話
ここまで「赤字」と一括りに話を進めてきましたが、実は赤字には税務面で活用できる側面もあります。
数字の読み違いで損をしないために、確定申告まわりで押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。
1.会計上の赤字とキャッシュフロー上の赤字は違う
2.損益通算で税負担を軽くできる場合がある
3.損益通算が使えないケースもある
①会計上の赤字とキャッシュフロー上の赤字は違う
最初に押さえておきたいのが、会計上の赤字とキャッシュフロー上の赤字は別物だということです。
会計上の赤字とは、確定申告の計算で収入から経費を差し引いた結果がマイナスになる状態を指します。
これに対してキャッシュフロー上の赤字は、通帳から実際にお金が減っている状態のことです。
両者にズレが生じる代表例が、減価償却費です。
減価償却費は実際にはお金が出ていかない「帳簿上の経費」ですが、確定申告の計算には組み込まれます。
結果として、通帳ベースでは手残りが出ている(キャッシュフローはプラス)のに、申告書上では赤字、というねじれが起きます。
この違いを区別できないと、実は手残りがあるのに「赤字だから物件を手放そう」と早まる、逆に「黒字だから安心」と油断する、といった判断のずれを招きかねません。
②損益通算で税負担を軽くできる場合がある
会計上の赤字を味方につける仕組みとして知っておきたいのが、損益通算です。
損益通算とは、不動産所得で出た赤字を給与所得など他の所得と相殺し、課税対象となる所得を圧縮できる制度のことです。
たとえば給与所得500万円のオーナー様が、不動産所得で100万円の赤字を出していれば、課税所得は400万円まで引き下げられます。
この仕組みをうまく使えば、所得税・住民税の還付や軽減につながります。
築古の木造アパートなど減価償却費を大きく計上できる物件では、キャッシュフローはプラスのまま会計上だけ赤字を作り、手残りを残しつつ節税効果を得るという組み立ても実務ではよく行われています。
③損益通算が使えないケースもある
ただし、どんな赤字でも損益通算の対象になるわけではありません。
代表的な制限が、土地取得のために借り入れたローン利子の扱いです。
建物部分のローン利子は経費として損益通算の対象になりますが、土地部分のローン利子から生じた赤字は他の所得と相殺できない決まりになっています。
「赤字なのに節税効果が思ったほど出ない」という場合、この土地利子の取り扱いが絡んでいることが少なくありません。
確定申告の仕組みは細かい論点が多いため、判断に迷う場面では税理士への相談をおすすめします。
正しく活用できれば赤字の痛みを税務面で和らげられますが、誤った申告は加算税などのペナルティにつながるため、専門家の確認を挟む安心感は大きいです。
収支を改善するために見直したいポイント
ここまで原因・リスク・税務面の論点を整理してきました。
最後に、実際に収支を黒字方向へ戻していくために手をつけたい3つのポイントをご紹介します。
1.空室対策の強化
2.管理体制/管理料の見直し
3.定期的な収支シミュレーション
①空室対策の強化
赤字の根が空室にあるなら、最初に取り組むべきは入居率の改善です。
打ち手としては、家賃の見直し、設備のリフォーム、募集条件の緩和(ペット可、外国人入居可、保証会社利用で保証人不要にする、など)が定番です。
とくに家賃調整は即効性があり、内見からの決定率を一段引き上げる効果が期待できます。
「家賃を下げるのは抵抗がある」というオーナー様の気持ちは、もっともなことだと思います。
ただ、数字に置き換えると見え方が変わります。
たとえば家賃6万円の部屋で3か月空室が続けば18万円の収入減ですが、月5,000円値下げしても年間の減収は6万円にとどまります。
つまり、値下げして早く埋めたほうがトータルの損失が小さくなる、というケースは十分にあり得るわけです。
周辺の競合物件の家賃や設備をきちんと調べたうえで、自分の物件の強みを活かせる募集戦略を組み立てていくことが大切になります。
②管理体制/管理料の見直し
もうひとつ効果が出やすいのが、管理体制と管理料の見直しです。
管理委託料は家賃収入の5%前後が一般的な相場ですが、管理会社によって料金体系もサービスの中身も実にまちまちです。
「管理料が割高に感じる」「入居者募集への動きが鈍い」「空室期間中の報告が少ない」といった違和感があるなら、他社と比較してみる価値は十分にあります。
管理会社を切り替えることで、管理料そのものが下がるだけでなく、客付け力の向上や入居者対応の質の改善につながるケースも多くあります。
ただし、変更には引き継ぎの手間や一時的な空白が生じるリスクもあるため、必ず複数社の提案を受けたうえで慎重に判断したいところです。
③定期的な収支シミュレーション
そして、地味ですが効果が大きいのが、定期的な収支シミュレーションを習慣化することです。
賃貸経営の収支は、購入時に描いたシナリオどおりに推移するとは限りません。
家賃の下落、空室率の上振れ、金利の変動、大規模修繕の発生、年数を重ねるほど、当初の想定との乖離は広がっていきます。
少なくとも年に1回は現在の収支を棚卸しし、今後5年〜10年の見通しを引き直しておきましょう。
早い段階で「このままだと2年後にキャッシュが厳しくなる」といった兆しに気づければ、家賃調整・リフォーム・借り換えなど打てる手の幅も広がります。
赤字が表面化してから対症療法に走るのではなく、数字を定点観測する習慣を持っておくことが、安定した賃貸経営を続けるうえでの土台になります。
賃貸経営の収支改善は久和不動産へ
今回は、賃貸経営における赤字の原因とリスク、確定申告での活かし方、そして収支改善の具体的なポイントまで一通り解説しました。
要点を以下にまとめます。
- 赤字の主な原因は空室の長期化、ローン返済比率の高さ、修繕費の見込み不足
- 会計上の赤字とキャッシュフロー上の赤字は別物で、損益通算を活用すれば税負担を軽減できる場合がある
- 空室対策の強化や管理体制の見直しなど、初期段階での打ち手が収支改善のカギになる
賃貸経営の赤字は、原因を正しく切り分けて適切に手を打てば、十分に立て直しが可能なケースが多くあります。
久和不動産では、賃貸経営の収支分析から空室対策、管理体制の見直しまで、オーナー様の状況に合わせて幅広くご相談に対応しています。
「赤字が続いてるけど、何から手をつければいいんだろう…」
「管理会社の変更や収支改善について相談したい」
という方は、どうぞお気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

